沖縄県無形文化財:八重山上布
制作:中村澄子
染料:紅露
八重山上布は、貢納布として制作されていた時代には"赤縞上布"と称されていました。手績みの苧麻糸を紅露で絣模様(摺込捺染)をつくり、織られた苧麻織物(白地に赤茶色の絣柄模様)だからです。
この"赤縞上布"は、貢納布時代を経て、伝統工芸品となる現在に至るまで、その制作手法は伝承され、現在も制作されています。
八重山上布は、八重山諸島の苧麻(からむし)から手績みされた苧麻糸を、緯糸に織り込んだ草木染め(八重山の植物)の手織苧麻織物です。
こちらに掲載をさせて頂いている八重山上布は、典型的な"赤縞上布"としての八重山上布です。現在から、100年前に遡ったとしても、同じ"かたち"をしています
"海晒し"で、真っ白に漂白され、くっきりと紅露の絣が浮き上がっています。
そもそも、手績みの苧麻糸は、白くはない..、ナチュラルな色相をしています。"海晒し"をすることで、苧麻糸を白くする。人工的に"天然の白"がつくられる訳です。
だから、他の土地の"白絣(麻織物)"とは、"白"の感じが違う..、南海の陽光をそのまま取り込んでいるかのような"白さ"を伝えます。
紅露(八重山諸島だけに自生しているヤマイモ科の植物)で染められた絣と苧麻がつくる"白"と相俟って、八重山上布ならではの「南海の涼感」が伝わってくるのです。
この"赤縞上布"を制作している織人.中村澄子氏は、沖縄県より重要無形文化財保持者に認定されている数少ない織人のひとりです。そして、この制作者は"赤縞上布"だけを制作している織人なのです。
機織だけはなくて、絣の図案制作も、絣染めも、そして、海晒しまでも自身が手掛けています。
こちらに掲載をさせて頂いている"赤縞上布"に織り出されている絣模様は、特に、珍しい絣ではありません。沖縄の織物では見掛ける絣模様ばかりです。それも、複雑に重なっている訳ではありません。ただ、典型的な絣模様が織り並べられているだけなのです。
けれども、単調な感じが一切感じられない。むしろ、眼に馴染み、心地良いリズム感をも感じるのです。
1935年生まれのこの制作者は、約60年以上も"赤縞上布"を制作しているのです。絣の図案を描くことも、その織にも、"迷い"や"躊躇い"はありません。
絣の"大きさ"や、絣の"かたち"、そして、配置..、それらは単調であるかもしれなけれど、赤縞上布としては"完全なデザイン"となっています。
だから、綺麗に映るんだと思います。そして、その綺麗さは、明るく、そして、南海の涼感をも同時に感じさせてくれます。八重山上布は、もしかすると、"白の織物イメージ"が、最も綺麗に感じられる"織物"なのかもしれません。
* | 着物と帯のあわせ.. |
・ | 琉球本紅型染め帯花麒麟模様(制作:玉那覇有公)とわせてみました。 |
・ | 藤布八寸帯『木春無地』(制作:中村澄子)とあわせてみました。 |
・ | 手描きジャワ更紗麻染め帯(制作:Reisia)とあわせてみました。 |
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