Korin.. 燕子花図屏風と八橋図屏風
毎年、4月から5月...、燕子の時季となると東京青山の根津美術館では尾形光琳の「燕子花図屏風」が公開されます。
光琳の作品の中でも「燕子花図屏風」は国宝指定されているだけあって極めて秀逸な作品です。ちょっと関心がある方がご覧になれば、その見事さに得心される筈です。
数年前に、初めてこの「燕子花図屏風」をみた時...、作品保存のために、照明が落とされた展示室の中で「燕子花図屏風」は存在感を顕にしていました。
この「燕子花図」は「屏風」として描かれたのです。
絵画ではあるのですが、六曲一双の「屏風」として描かれているために、パノラマ的に眼に映る訳です。
「燕子花図」は至ってシンプルな絵画です。
金屏風の上に、群青と緑青だけで幾つもの燕子花が描かれているだけです。
しかし、仄暗い展示室の中で、じっと眼にしていると。まるでその絵/燕子花図の中に入り込んでしまう様な錯覚さえ憶えそうなのです。
眼の前に..、光琳の描いた燕子花が咲き誇っているような感じです。
光琳の燕子花は幻想的なのかもしれません。
金色(こんじき)を背景とした群青と緑青の燕子花は、「カキツバタ」であって「カキツバタ」ではない..、眼にする者に「カキツバタ」としてみせても、実は「光琳の燕子花」に引き込んで行くようなのです。
「燕子花図屏風」は絵画でから、どの様に観るか..、どの様に感じるか..、その人次第ではあると思いますが..、とてもシンプルな絵画でありながらも、毎年この季節となると多くの人を魅了して、話題にもなる...。
幻想的と感じるのは私だけかもしれませんが、間違いなく魅力的な絵画でもあると思います。
この時季に根津美術館を訪れたのは、もう一度「燕子花図屏風」を観てみたかったこともあるのですが...、今回は、尾形光琳が「燕子花図屏風」を描いてから10年後に描いたとされるメトロポリタン美術館所蔵の「八橋図屏風」も同時に展示されているのです。
「八橋図屏風」は、「燕子花図屏風」と同様に「燕子花」だけを描いた六曲一双の「屏風」ですが、「燕子花図屏風」にはない「八橋」が描かれた作品なのです。
この二つの作品が並び展示されるのは1915年以来との事です。
「八橋図屏風」ですが...、こちらの作品もすこぶる素晴らしい出来ではあると思うのですが、「燕子花図屏風」が幻想的な印象であるのに対して、「八橋」と言う構造物が描かれているだけあって、少々現世を想わせる予感みたいなものが感じられました。
「橋」がとてもダイナミックに描き込まれているです。
「八橋図屏風」は、「燕子花図屏風」と極めて似ているけれども、結構違う絵画なのかもしれません。
「八橋図屏風」は、毎年メトロポリタンから来る訳ではないので、時間を掛けて観ようと思うとNewYorkまで行かなくてはなりません...。
名残惜しかったのですが、また、何時か逢える時を信じて帰って参りました。
参考までに...
根津美術館はこちらです。
「燕子花図屏風」はこちらです。
「八橋図屏風」はこちらです。
光琳の作品の中でも「燕子花図屏風」は国宝指定されているだけあって極めて秀逸な作品です。ちょっと関心がある方がご覧になれば、その見事さに得心される筈です。
数年前に、初めてこの「燕子花図屏風」をみた時...、作品保存のために、照明が落とされた展示室の中で「燕子花図屏風」は存在感を顕にしていました。
この「燕子花図」は「屏風」として描かれたのです。
絵画ではあるのですが、六曲一双の「屏風」として描かれているために、パノラマ的に眼に映る訳です。
「燕子花図」は至ってシンプルな絵画です。
金屏風の上に、群青と緑青だけで幾つもの燕子花が描かれているだけです。
しかし、仄暗い展示室の中で、じっと眼にしていると。まるでその絵/燕子花図の中に入り込んでしまう様な錯覚さえ憶えそうなのです。
眼の前に..、光琳の描いた燕子花が咲き誇っているような感じです。
光琳の燕子花は幻想的なのかもしれません。
金色(こんじき)を背景とした群青と緑青の燕子花は、「カキツバタ」であって「カキツバタ」ではない..、眼にする者に「カキツバタ」としてみせても、実は「光琳の燕子花」に引き込んで行くようなのです。
「燕子花図屏風」は絵画でから、どの様に観るか..、どの様に感じるか..、その人次第ではあると思いますが..、とてもシンプルな絵画でありながらも、毎年この季節となると多くの人を魅了して、話題にもなる...。
幻想的と感じるのは私だけかもしれませんが、間違いなく魅力的な絵画でもあると思います。
この時季に根津美術館を訪れたのは、もう一度「燕子花図屏風」を観てみたかったこともあるのですが...、今回は、尾形光琳が「燕子花図屏風」を描いてから10年後に描いたとされるメトロポリタン美術館所蔵の「八橋図屏風」も同時に展示されているのです。
「八橋図屏風」は、「燕子花図屏風」と同様に「燕子花」だけを描いた六曲一双の「屏風」ですが、「燕子花図屏風」にはない「八橋」が描かれた作品なのです。
この二つの作品が並び展示されるのは1915年以来との事です。
「八橋図屏風」ですが...、こちらの作品もすこぶる素晴らしい出来ではあると思うのですが、「燕子花図屏風」が幻想的な印象であるのに対して、「八橋」と言う構造物が描かれているだけあって、少々現世を想わせる予感みたいなものが感じられました。
「橋」がとてもダイナミックに描き込まれているです。
「八橋図屏風」は、「燕子花図屏風」と極めて似ているけれども、結構違う絵画なのかもしれません。
「八橋図屏風」は、毎年メトロポリタンから来る訳ではないので、時間を掛けて観ようと思うとNewYorkまで行かなくてはなりません...。
名残惜しかったのですが、また、何時か逢える時を信じて帰って参りました。
参考までに...
根津美術館はこちらです。
「燕子花図屏風」はこちらです。
「八橋図屏風」はこちらです。
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