お単衣の装い..、夏久米島と首里織九寸名古屋帯
前回、夏久米島と桶絞り染めの九寸名古屋帯との"お単衣"としての"あわせ"を掲載致しました。
ご紹介をした単衣/夏季のお着物は、オフホワイトの無地織とは言え、久米島で織られた夏久米島です。
沖縄の織物です。そこで同じ沖縄で織られた帯地を取り上げて"琉球染織でのお単衣としてあわせ"をご紹介してみたいと思います。
掲載をさせて頂いたお着物は、前回にてご紹介をさせて頂いた琉球椎で織糸を糸染めされた夏久米島紬。
前回の写真画像と何となく色の感じが違って見えるのは、撮影の際の光の加減です(色温度と言うものの違いです)。
そして...、夏久米島と"あわせ"てみたのは首里織九寸名古屋帯。
制作者はルバースミヤヒラ吟子氏。
ルバースミヤヒラ吟子氏は、首里織にて人間国宝の認定を受けられた宮平初子さんの長女であり、後継者として首里織の保存制作をされています。
また、過去に、フランス.ゴブラン国立制作所開発研究所に留学された経歴を持ち、作品には伝統的な首里織に留まらない創作性がみられます。
現在、首里織の制作だけではなくて、沖縄県立芸術大学教授でもあり、また、米国メトロポリタン美術館客員研究員と言う職務を受けてもおられています。
ここでご紹介をさせて頂いているルバースミヤヒラ吟子氏の首里織ですが、伝統的な琉球の絣文様(ジンダマー)が花織として織り込まれています。彩色は、鮮やかで、強烈な印象の沖縄の彩色とは真逆な、美しい薄色で整えられています。
この花織の帯地ですが、決して、単衣だけを意識しておられた作品ではありません。
明るく、薄色の色調が整っている事と甘撚糸が織り込まれたかのような質感が、お単衣の時季に"あわせ"やすい印象を保っているのです(もちろん、夏季の帯ではありません)。
オフホワイトの無地織の着物と薄色の首里織。
必要以上の彩色が取り除かれた...、すっきりとした印象のお単衣の装いと言う感じになるかもしれません。
この首里織ですが...、写真画像でご覧頂いている以上に精緻な織が繰り返された織物です。もちろん、織糸は100%植物染料で染められています。薄色であっても決して色飛び退色可能性が低い程の染色堅牢度が施されています。
要するに、見た眼以上に質感/ボリュームある織物でもあるのです。
オフホワイトの無地織の着物に対して十分にアクセントとなる程の高い質感を保った帯となります。
ですから、薄色と薄色の...、着物と帯だからと言って帯締/帯揚をアクセントとしない方が良いのです。
それと...、このルバースミヤヒラ吟子氏の織物なんですが、いつもどこか格調みたいな空気が感じられるのです。
首里織は、そもそも、琉球王朝の王族と貴族の衣装を織る責務が科せられた織物です。
その首里織の根元的なDNAが、ルバースミヤヒラ吟子氏によって色濃く織り込まれているのかもしれません。
夏久米島とルバースミヤヒラ吟子氏の首里織名古屋帯との"あわせ"ですが...、桶絞り染め帯に比べて、見た眼の"お洒落感"はどうでしょうか?
桶絞り染め帯を"あわせ"とた時、この首里織の帯を"あわせ"と時、双方とも"印象は違う"けれども高い趣味性が感じられはしませんか?
装いの主役は、着物でも帯でもないのです(主役は着物を着るご本人なのです。)。
"あわせ"のポイントは、着物と帯のバランス感覚と"印象"です。
先ほど...
>双方とも"印象は違う"けれども高い趣味性が感じられはしませんか?
と書きましたが...、首里織と"あわせ"た場合の方が、趣味性が高いと同時に、"よりエレガントな印象"があるかと思うのです。
西陣織の保つ貴装感とか礼装感ではなくて、ちょっとした気品みたいなものです。
紬織のお単衣の着物...、余所行き感覚でもちょっと趣味的、そして、それに留まらず、気品を香らせる帯使いの"あわせ"となるかと思います。
まとめてみるとTPOの例は桶絞り染め帯と同じようなものとなるかと思います。
ただ、この首里織を帯として無地織の着物と"あわせ"るとするなら、桶絞り染め帯と比べて、もう少しエレガントな雰囲気となる...、と言うイメージです。
ご紹介をした単衣/夏季のお着物は、オフホワイトの無地織とは言え、久米島で織られた夏久米島です。
沖縄の織物です。そこで同じ沖縄で織られた帯地を取り上げて"琉球染織でのお単衣としてあわせ"をご紹介してみたいと思います。
掲載をさせて頂いたお着物は、前回にてご紹介をさせて頂いた琉球椎で織糸を糸染めされた夏久米島紬。
前回の写真画像と何となく色の感じが違って見えるのは、撮影の際の光の加減です(色温度と言うものの違いです)。
そして...、夏久米島と"あわせ"てみたのは首里織九寸名古屋帯。
制作者はルバースミヤヒラ吟子氏。
ルバースミヤヒラ吟子氏は、首里織にて人間国宝の認定を受けられた宮平初子さんの長女であり、後継者として首里織の保存制作をされています。
また、過去に、フランス.ゴブラン国立制作所開発研究所に留学された経歴を持ち、作品には伝統的な首里織に留まらない創作性がみられます。
現在、首里織の制作だけではなくて、沖縄県立芸術大学教授でもあり、また、米国メトロポリタン美術館客員研究員と言う職務を受けてもおられています。
ここでご紹介をさせて頂いているルバースミヤヒラ吟子氏の首里織ですが、伝統的な琉球の絣文様(ジンダマー)が花織として織り込まれています。彩色は、鮮やかで、強烈な印象の沖縄の彩色とは真逆な、美しい薄色で整えられています。
この花織の帯地ですが、決して、単衣だけを意識しておられた作品ではありません。
明るく、薄色の色調が整っている事と甘撚糸が織り込まれたかのような質感が、お単衣の時季に"あわせ"やすい印象を保っているのです(もちろん、夏季の帯ではありません)。
オフホワイトの無地織の着物と薄色の首里織。
必要以上の彩色が取り除かれた...、すっきりとした印象のお単衣の装いと言う感じになるかもしれません。
この首里織ですが...、写真画像でご覧頂いている以上に精緻な織が繰り返された織物です。もちろん、織糸は100%植物染料で染められています。薄色であっても決して色飛び退色可能性が低い程の染色堅牢度が施されています。
要するに、見た眼以上に質感/ボリュームある織物でもあるのです。
オフホワイトの無地織の着物に対して十分にアクセントとなる程の高い質感を保った帯となります。
ですから、薄色と薄色の...、着物と帯だからと言って帯締/帯揚をアクセントとしない方が良いのです。
それと...、このルバースミヤヒラ吟子氏の織物なんですが、いつもどこか格調みたいな空気が感じられるのです。
首里織は、そもそも、琉球王朝の王族と貴族の衣装を織る責務が科せられた織物です。
その首里織の根元的なDNAが、ルバースミヤヒラ吟子氏によって色濃く織り込まれているのかもしれません。
夏久米島とルバースミヤヒラ吟子氏の首里織名古屋帯との"あわせ"ですが...、桶絞り染め帯に比べて、見た眼の"お洒落感"はどうでしょうか?
桶絞り染め帯を"あわせ"とた時、この首里織の帯を"あわせ"と時、双方とも"印象は違う"けれども高い趣味性が感じられはしませんか?
装いの主役は、着物でも帯でもないのです(主役は着物を着るご本人なのです。)。
"あわせ"のポイントは、着物と帯のバランス感覚と"印象"です。
先ほど...
>双方とも"印象は違う"けれども高い趣味性が感じられはしませんか?
と書きましたが...、首里織と"あわせ"た場合の方が、趣味性が高いと同時に、"よりエレガントな印象"があるかと思うのです。
西陣織の保つ貴装感とか礼装感ではなくて、ちょっとした気品みたいなものです。
紬織のお単衣の着物...、余所行き感覚でもちょっと趣味的、そして、それに留まらず、気品を香らせる帯使いの"あわせ"となるかと思います。
まとめてみるとTPOの例は桶絞り染め帯と同じようなものとなるかと思います。
- *食事会や同窓会などの"集い"や"宴"。
- *ギャラリーなどでの催し。
- *美術館/博物館などの展覧会。
- *オペラ/クラシック、歌舞伎などの舞台鑑賞。
ただ、この首里織を帯として無地織の着物と"あわせ"るとするなら、桶絞り染め帯と比べて、もう少しエレガントな雰囲気となる...、と言うイメージです。
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