先週の日曜日、里山に早朝散歩に行って来ました。
車を停めて、ものの3分ほど里山に入って行くだけで....、里山の周りを巡っている道路の交通量は少なくはないのですが...、もう既に車の音は響い来なくなりました。
実際には耳を澄ませば、聞こえていたのかもしれません。
森の光景に意識が惹き込まれていたのだと思います。
この日、歩いた里山は、ここ数年の間に、その一部は<市民感覚的に>手が加えられてしまったんですが、まだ手が加えられていない森も残っています。
ちょっと歩き難い程度の感じは嫌いではないので、時折、この森を訪れては、適当に歩いています。
このあまり手が入っていない森は、結構、鬱蒼としています。
湿地もあり、小さな池もあり、野鳥も数多く住みかとしています。
雨が降れば、きっと靴はその日以降は、履く気になれない程汚れてしまう...、土と緑だけに覆われた起伏が激しい森なのです。
ですから、基本、綺麗な花が咲いている訳ではない筈なんですが...、ある場所だけに、紫陽花が群れるように咲いていたんですね。
実は、この日、この紫陽花を捜し見るために、この森に入ったんです。
半年ほど前、やはり、休日の早朝にこの森を歩いていて、<この場所>で枯れ朽ちていた紫陽花を見付けたんです。
誰かが種を蒔いたのかもしれません。でも、丁寧に蒔かれたと言うほどでもない...、鳥が種を落としたと言うのはちょっと話が出来過ぎている。
半年前の朽ちた紫陽花のかたちも悪くなかったので、紫陽花が咲く時季がちょっと楽しみだったんです。
森の中は、ちょっと鬱蒼とした緑に覆われています。
紫陽花は、真っ白な花を付けて咲いていました。
青紫や赤紫と言った<色>が付いている訳ではないんですが、とっても瑞々しくて、直感的に<綺麗>と感じさせる色艶をしていたんです。
いつも陽光が挿し込む訳ではない森の中でみる白い紫陽花は、その綺麗さとは別に、印象として新鮮な感じだったんです。
<白>と言う色も、<花>の色としては、既に完結しているんですね。
これから何か色を加える訳ではない、何か色が足らない訳でもない。
十分にあざやかな色としての<白>なんです。
里山と言っても、適当に鬱蒼とした森の中の紫陽花です....、あまり、見掛ける光景じゃないと思います。
休日の朝、少しだけ早く起きてみると...、ちょっとだけ感情に響く出来事に巡りあうことが出来たと言うお話でした。