眠り続けているお品..、本場黄八丈
山下八百子さんの本場黄八丈。
黄色よりも鳶色が多く織り込まれているため、黄八丈と言うよりも鳶八丈と言う印象があります(ただ、どうやら鳶八丈と言う呼称は山下家には伝わっていないようで、あくまでも黄八丈と称されているようです)。濃淡数多の鳶色をした糸を、とても細かい"綾"に織り込んでいます。
これだけ複雑に、多彩な彩色を織り込んで行くと、極端な個性が出てくる事が多いんですが、この綾織は、とても眼に馴染みやすく感じられんです。自然から得られた色と言うものは、襲ねても不思議なほど馴染んで行くと言うお話を仄聞したことがあるのですが、こうした綾織の彩色印象も、すべて八丈島に自生する植物からつくられているため、強い印象を残さないのだと思います。
この"鳶"と言う色なんですが、普段、街の中でも、あまり見掛けない色である上に、この"鳶色"と言う色自体は特別綺麗と思われる色でもない筈なのです。それにもかかわらず、山下家で染められた"鳶色"は綺麗なんです。何百年と"島"に受け継がれた色には、眼にする人の感情に響く何かを保っているのかもしれませんね。
現在、八百子さんの実子である芙美子さんが受け継いでおられます。山下家の黄・鳶・黒の黄八丈に使われる色には変わりはありません。
しかし、芙美子さんが手掛ける織物には、八百子さんの時代にはなかった印象が、時折感じられます。
伝統とは言えども、色はあくまでも"八丈島"から生まれた色であっても、織は"織人"の意識に依存しているからかもしれませんね。
この作品がお店に来たのは、八百子さんが鬼籍に入られる9ヶ月ほど前の事。
以来、ずっと弊店の棚の中に眠っていたのを殆ど忘れておりました(笑い)。
入荷すれば..、瞬く間にお客様の箪笥に収まるお品もあれば、この黄八丈のようにお店の棚の奥底にお客様との出逢いを待ち続けているお品もあるのです。
黄色よりも鳶色が多く織り込まれているため、黄八丈と言うよりも鳶八丈と言う印象があります(ただ、どうやら鳶八丈と言う呼称は山下家には伝わっていないようで、あくまでも黄八丈と称されているようです)。濃淡数多の鳶色をした糸を、とても細かい"綾"に織り込んでいます。
これだけ複雑に、多彩な彩色を織り込んで行くと、極端な個性が出てくる事が多いんですが、この綾織は、とても眼に馴染みやすく感じられんです。自然から得られた色と言うものは、襲ねても不思議なほど馴染んで行くと言うお話を仄聞したことがあるのですが、こうした綾織の彩色印象も、すべて八丈島に自生する植物からつくられているため、強い印象を残さないのだと思います。
この"鳶"と言う色なんですが、普段、街の中でも、あまり見掛けない色である上に、この"鳶色"と言う色自体は特別綺麗と思われる色でもない筈なのです。それにもかかわらず、山下家で染められた"鳶色"は綺麗なんです。何百年と"島"に受け継がれた色には、眼にする人の感情に響く何かを保っているのかもしれませんね。
現在、八百子さんの実子である芙美子さんが受け継いでおられます。山下家の黄・鳶・黒の黄八丈に使われる色には変わりはありません。
しかし、芙美子さんが手掛ける織物には、八百子さんの時代にはなかった印象が、時折感じられます。
伝統とは言えども、色はあくまでも"八丈島"から生まれた色であっても、織は"織人"の意識に依存しているからかもしれませんね。
この作品がお店に来たのは、八百子さんが鬼籍に入られる9ヶ月ほど前の事。
以来、ずっと弊店の棚の中に眠っていたのを殆ど忘れておりました(笑い)。
入荷すれば..、瞬く間にお客様の箪笥に収まるお品もあれば、この黄八丈のようにお店の棚の奥底にお客様との出逢いを待ち続けているお品もあるのです。