西陣織の豊かな美しさ..

西陣織九寸名古屋帯眼にしていて...、とても素敵な帯地じゃないですか...。
品位もあるし、洗練された感性を感じさせる。

こうした印象は、西陣織の本来的な趣向じゃないかなと思います。

この帯地ですが、一般な西陣織と比べ出すと、もしかしたら少々地味かも知れない。
でも、黒い背景の中で、浮き上がるその姿は、綺麗...、と言う麗句が漏れてもおかしくはない程です。

何の型でしょうか? 
まるでモザイクのような模様が織り込まれています。

でも、この模様が何であるか..、何に見えるかは..、まるで制作者の謎かけのようであり、また、「何に見えても良いよ...、それは見るひとの気持ち次第です」と言っているかのようです。

それでも...、例え、その答えを教えられなくても、気分が悪くなることはない様な気がします。

地味かも知れないけれど、綺麗と感じられるのは、見た眼の綺麗さや美しさに惹かれているのではなくて、きっとこの帯地の姿の中に込められているものが琴線に触れたのだと思います。

まるで"ひと"に惹かれると言うことに似ていますね。

この西陣織に「綺麗」と感じるのは、洗練された感性とか品位と言った内面性みたいなものに対して感情が反応したからだと思います。

こうした西陣織に触れていると、"ただ綺麗なだけ"ではダメなんだなと思い知らされます。