八重山上布 染織家 新垣幸子作品展

新垣幸子*染織家 新垣幸子作品展

*会期:6月19日(火曜日)〜23日(土曜日)

南国の苧麻織物である八重山上布の第一人者であり、現在「日本明藝館」に所蔵されている古布の復元品の制作や古来より伝わる染織技術の保存に尽力されている染織家新垣幸子氏の作品展のご案内を致します。

作品展のご案内はこちらでご紹介をさせて頂きます。

作品展までの間、Blogを通じて"八重山上布"と言う織物と"新垣幸子"と言う染織家を作品展と言う括りとは別な視点でご紹介させて頂きます。

*尚、この度の作品展は、本来画廊/ギャラリーにて公開作品展と言うスタイルを予定していましたが、日程調整の都合上、店舗内での開催となりました。
その為、作品販売だけではなくて、参考品/非売品である「復元品の掛軸」やタペストリーなどの展示予定致しています。
店舗内での作品展ですが染織にご関心をお持ちの方はお気軽にご来会下さい。

Korin.. 燕子花図屏風と八橋図屏風

燕子花図屏風 八橋図屏風毎年、4月から5月...、燕子の時季となると東京青山の根津美術館では尾形光琳の「燕子花図屏風」が公開されます。

光琳の作品の中でも「燕子花図屏風」は国宝指定されているだけあって極めて秀逸な作品です。ちょっと関心がある方がご覧になれば、その見事さに得心される筈です。

数年前に、初めてこの「燕子花図屏風」をみた時...、作品保存のために、照明が落とされた展示室の中で「燕子花図屏風」は存在感を顕にしていました。
この「燕子花図」は「屏風」として描かれたのです。
絵画ではあるのですが、六曲一双の「屏風」として描かれているために、パノラマ的に眼に映る訳です。

「燕子花図」は至ってシンプルな絵画です。
金屏風の上に、群青と緑青だけで幾つもの燕子花が描かれているだけです。
しかし、仄暗い展示室の中で、じっと眼にしていると。まるでその絵/燕子花図の中に入り込んでしまう様な錯覚さえ憶えそうなのです。

眼の前に..、光琳の描いた燕子花が咲き誇っているような感じです。

光琳の燕子花は幻想的なのかもしれません。
金色(こんじき)を背景とした群青と緑青の燕子花は、「カキツバタ」であって「カキツバタ」ではない..、眼にする者に「カキツバタ」としてみせても、実は「光琳の燕子花」に引き込んで行くようなのです。

「燕子花図屏風」は絵画でから、どの様に観るか..、どの様に感じるか..、その人次第ではあると思いますが..、とてもシンプルな絵画でありながらも、毎年この季節となると多くの人を魅了して、話題にもなる...。
幻想的と感じるのは私だけかもしれませんが、間違いなく魅力的な絵画でもあると思います。


この時季に根津美術館を訪れたのは、もう一度「燕子花図屏風」を観てみたかったこともあるのですが...、今回は、尾形光琳が「燕子花図屏風」を描いてから10年後に描いたとされるメトロポリタン美術館所蔵の「八橋図屏風」も同時に展示されているのです。
「八橋図屏風」は、「燕子花図屏風」と同様に「燕子花」だけを描いた六曲一双の「屏風」ですが、「燕子花図屏風」にはない「八橋」が描かれた作品なのです。
この二つの作品が並び展示されるのは1915年以来との事です。

「八橋図屏風」ですが...、こちらの作品もすこぶる素晴らしい出来ではあると思うのですが、「燕子花図屏風」が幻想的な印象であるのに対して、「八橋」と言う構造物が描かれているだけあって、少々現世を想わせる予感みたいなものが感じられました。
「橋」がとてもダイナミックに描き込まれているです。
「八橋図屏風」は、「燕子花図屏風」と極めて似ているけれども、結構違う絵画なのかもしれません。

「八橋図屏風」は、毎年メトロポリタンから来る訳ではないので、時間を掛けて観ようと思うとNewYorkまで行かなくてはなりません...。

名残惜しかったのですが、また、何時か逢える時を信じて帰って参りました。

参考までに...
根津美術館はこちらです。
「燕子花図屏風」はこちらです。
「八橋図屏風」はこちらです。

白い花をつけた樹

ヒトツバタゴ ナンジャモンジャ「ヒトツバタゴ」なる木で、別名「ナンジャモンジャノキ」。

五月の陽光に照らされた"白い花"は、都会の中であっても自然の"柔らかさ"を伝えてくれています。
特に眼を引く訳ではないのかもしれませんが、明るくて、綺麗な花です。

この「ナンジャモンジャノキ」はお店の近くに植えられた街路樹なんですが。この樹に花が咲くと、初夏の予感を想わせてくれます。