勝山健史 制作：リンデン 九寸名古屋帯
西陣織帯地の作家.勝山健史氏制作：九寸名古屋帯地。
絹の美しさが際立って感じられる作品性が印象的です。
作品イメージになっている色彩は、眼に映っている"色"だけではなくて、ほんの少しだけ絹が透けている様に感じる"色の気配"なのかもしれません。絹の一番理想的なところを織物＝布にしたような感覚が伝わって来ます。生きた素材だからこそ感じされる美しい感覚に包まれた織物です。
絹の美しさの中に織り出されている模様は、聖樹を暗示する立樹模様。それは大地から天に伸びる樹木の姿から、生命観や豊穣などをシンボリックにデザインされた模様です。
色彩印象、あるいは絹の妖艶な美しさの中に、ただ、ひとつだけ立樹を浮き上がらせ、その他は陰翳を想わせるかの様に織り出されています。"陽"だけはなくて、"陰"にさえも趣を湛え、絹の表情と相俟って、この作品から伝わってくる美しさの余韻にさえも、ちょっした存在感を想ってしまいそうです。
時代性や価値観を超えた絹織物(九寸名古屋帯)です。
無地感覚、そして、素材の美しさを伝えてくれるお着物とあわせてお楽しみ下さい。
| ＊ | 『リンデン』との着物と帯あわせ |
| ・ | 江戸小紋 玉縞(児玉博)の着物とあわせてみました。 |
| ・ | 菊池洋守 制作：八丈織とあわせてみました。 |
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