石川県指定無形文化財:能登上布
多彩縞
石川県の能登で織られている麻織物、能登上布は、かつては献納布として特別な手織麻織物として珍重され、現在も尚、石川県の無形文化財に指定されています。歴史と土地に根ざした能登上布でありながらも、現在は一軒の機屋/山崎仁一氏の工房だけとなっています。
能登上布は、当然のように麻織物を制作して来た訳ですが、また、麻以外の織物を制作する事もありませんでした。
夏の織物として、能登上布なる麻織物を制作し、夏以外の織物として綿織物や絹織物の制作を手掛けることは一切なかったのです。
ただ、ひたすらに麻織物の制作を伝承して来た百軒以上あった機屋が..、一軒だけとなってしまったのです。
一軒だけの機屋は、伝統的な「能登ならではの手仕事」にこだわって制作を続けています。
紡績麻糸(ラミー糸)でありながらも...、、地入れを施し、糊を抜くと、手織特有の柔らかな素材感が浮き出て来ます。
麻織物は、絹織物や綿織物と比べると、織物としての"硬さ"があります。
東南アジアの麻が無骨な素材感をみせているのに対して、日本の麻は、どちらかというと繊細な感じを伝えています。日本の麻織物の"硬さ"加減は、あくまでも絹織物や綿織物との対比なんだと思います。
この"硬さ"が、上質の麻織物の素材感覚に関わっています。使われている麻糸に、柔軟性があればあるほど、「硬いような感じでありながらも、強くもあり、かつ、繊細な空気感」をつくるんですね。
こうした傾向は、経年すればするほど、しっかり表れてきます。
何百年も前の麻織物が、現在も風化することなく、伝えられているのは上質の麻が惜しみなく使われているからなんですね。
現在の能登上布は、ラミー苧麻糸として使われています。
このラミー苧麻糸は、機械織に使われるものではなくて、手織の麻織物専用として加工された上質な苧麻糸が使われています。能登上布は、繊細であり、精巧に織り上げられた織物であるのは、能登上布の手織手法とこの苧麻糸の相性が、極めて良いためのようです。
使われている糸と施される織のバランスが良いんですね。
麻織物でありながらも、着物として着られた時、綺麗な姿になるのは、こうしたバランスの良さがあるからなんです。
こちらに掲載をさせて頂いた能登上布は、"きなり"の地色に対して”ほの柔らかい縞織”が織り込まれています。乱れている縞のようでもあり..、色と縞の間隔に眼を向けると、何となく"リズム感"みたいな感じが伝わって来ます。
考えて手掛けられているから、こうした感覚が伝わってくるんですね。ただ、精巧に織っているだけではなくて、着物としての織物という意識が、制作者や織人にあるのです。
こうした縞の感じが、着物..、麻のお着物を着たときの"着物ならでは景色"となるんです。
こうした"景色"となる"縞"の感じは、ありきたりの縞とは、かなり違うんですね。
縞と言っても"粋"な感じにはならない"リズム感"ある柔らかな縞織です。
色の加減も、強いわけではないので、様々な帯とあわせてお楽しみ頂けるお着物となります。
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