絽小紋:流水にもみじ"竜田川"
お単衣から夏、夏から単衣..、この初夏から秋口に掛けてのお着物には、季節に応じた着物の季節感の移り変わりをみることが出来ます。
着物や帯地に染め描かれる柄模様や彩色は、季節の趣を表現してくれます。
また、「薄もの」と称される言葉からもお分かりかと思いますが、この季節のお着物や帯地に使われる素材もまた移り変わる季節を表現しているのです。
薄く透き通ることで、涼感を肌で感じさせる、また、眼にしていても涼感、季節を想わせるのです。こうした素材による季節感の表現は、季節を「興じる」と言う趣向の作為でもあるのです。
こちらに掲載をさせて頂いたのは"流水にもみじ/竜田川"を染め描いた絽小紋です。
地色は、とても綺麗な墨桜色を想わせる淡い彩色。流水は、染め重ねるのではなくて、生地に糊伏せを白上げにて表現されています。
この絽小紋の面白さは、素材となる生地の織と柄模様の均衡なのです。素材に使われているのは絽の生地は段絽、不均一に絽目を配した絽を、流水の柄模様と重ねることで、「水の動き」を巧く表現しているのです。
それと、もうひとつ。もみじの葉が舞っている様子も、敢えて疋田のもみじを散らすことで、水面に映るもみじの影を表現しているのです。それは、まるで川面の流れが生む風に舞っているもみじとその影の様です。
ここにも、ただ、染め描いているだけではなくて、染め描いた柄模様に「動き」や「流れ」を想わせる計らいが施されているのです。
これは、単調な染色では、決して生まれ得ない染色の効果でもあるのです。
この小紋に散らされている「もみじ」は決して多くはありません。
所々に舞って言えるかの様に、配されています。
とは言え、この小紋に「もの足らない印象」「淋しい印象」を想うことはありません。やはり、地紋の様な、少々荒い目の段絽の「目」と流水の模様が、この小紋の雰囲気印象を決めているのだと思います。
そして、その印象の上にアクセントとの様に「もみじ」と「もみじの影」が舞っているのです。
眼に留まる具体的なものは「もみじ」かもしれませんが、実は、この小紋を雰囲気は、地色の彩色と段絽の織目、そして、流水が重なって生まれた印象なのです。
古の小袖文様/竜田川を実に巧く染め描かれています。
そして、薄もの特有の涼感..、制作者の作為によって季節感がとても巧く表現されてもいます。
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