江戸小紋 胡麻(鍋島小紋) 黒
染め師:根橋秀浩(現代の名工)
江戸小紋を染める際に使われる伊勢型紙は、それぞれ4種類(引彫、突彫、錐彫、道具彫)の技法でつくられています。
こちらに掲載をさせて頂いている『胡麻』の江戸小紋は、道具彫の技法で「伊勢型紙」が制作されています。伊勢型紙を彫る道具そのものが、制作する模様の「型」に近い形状をしているため、「道具彫」と称されているとのことです。某の柄模様を制作するためだけの「道具」さえも存在します。
『胡麻』の江戸小紋は、そもそも、佐賀鍋島藩の定め柄(裃の柄模様)を由来とし、『鍋島小紋』とも呼ばれる事もあります。江戸時代、佐賀藩は胡麻の生産地だったため、こうした「胡麻模様」から藩士の裃柄となった事です。
江戸小紋としての『胡麻』は、道具彫の江戸小紋に関わらず、三役(鮫・通し・行儀)に近い格式を伝えます。精緻で、細密な模様である事、そして、そもそも、鍋島藩士の正装である裃に使われていた柄模様である事を思えば、格式が感じられることは至極当然かもしれません。
そして、こちらの『胡麻』の柄模様は、その細密な美しさに加えて、染められた「黒」に柔らかさが感じられます。染め師は、「江戸小紋染め」で「現代の名工」を受賞した根橋秀浩。単彩と白だけで色が表現される江戸小紋では、「黒」は、染め師特有の「黒」になることがあります。真っ黒に出来ない為の配慮だそうです。
この『胡麻』の「黒」に柔らかさが感じられるのは、染めの配慮だけではなくて、「伊勢型紙」の癖が、「黒」の感じと相俟って柔らかさとなっているのかもしれません。
「型紙」は彫り師の手仕事で、『柄』ひとつひとつ、何千もの柄模様が、彫り繋げられています。つまり、ここに彫られている胡麻のかたちは、ミクロ的にはどれもどこか違うかたちなのです。ほんの僅かずつ違うかたちの柄模様だからこそ、染められた時には、柔らかく目に映るのだと思います。
格式ある『胡麻』に、静謐感のある「黒」が染められているにも関わらず、硬質な感じがない江戸小紋です。むしろ、黒に艶やかさが感じられるし、歴史ある『胡麻』の模様は、現代にも生きるデザイン性があります。
職人の美しい手仕事感が伝わって来る江戸小紋です。
* | 江戸小紋『胡麻』との帯あわせ |
・ | 洛風林九寸名古屋帯『百合文』とあわせてみました。 |
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