勝山健史 制作： 九寸名古屋帯
作品名：コーカサス華文

西陣織帯地作家.勝山健史氏制作"九寸名古屋帯地"。

ヨーロッパ、コーカサス/Caucasus(アゼルバイジャン、ジョージア、アルメニア)地方の装飾文様をテーマに制作された織物です。
コーカサスは、ペルシャに程近いヨーロッパ東南に位置し、紀元前より様々な民族や宗教によって文化がつくられてきた地方です。この作品の装飾文様も、時代感覚を想わせないけれども、古代キリスト教、あるいはイスラム教と言った宗教的な空気を伝えている様に感じられはしないでしょうか？

この作品は、同じ文様を繰り返すことでデザイン構成されています。
アイスブルーを想わせる色の中に、文様が煌めく様に織り出されています。彩色と陰影が施され、その文様は、光の加減で、煌めきや色加減に移り変わりが生まれます。どんな光加減であっても、文様の美しさを感じることが出来ます。

絹の美しさとヨーロッパ的デザイン性の調和が美しい程に図られています。日本的ではない異文化のデザインにも関わらず、帯として、奇妙な個性や衒いを感じされることはありません。こうした作品性．．、絹の美しさとヨーロッパ的デザイン性が調和した帯は、伝統的な美的感覚にはない着物感覚を演出してくれる筈です。
現在美術感性と美しい煌めきに満ちている帯です。