緯絣織九寸名古屋帯
杉浦晶子 制作『万華鏡』
絣織の九寸名古屋帯..、帯地、または、絣の織物としては、少々、感覚的、感性的な、雰囲気みたいなものが感じられるかもしれません。
帯地、織物という枠にはとらわれない造形的な存在感があるようです。
比較的、柔らかな色彩と色彩が、重なり、繋がり、延々と続いています。
織り込まれた<模様>は、すべて緯絣で織り出されています。
この絣織でつくられた<かたち>は、ほぼ<同じかたち>をしていて、それらが、ある箇所で繋がり、ある箇所で重なり..、<ひとつのかたち>をつくっています。<絣のかたち>のひとつを眼で追って行くと、途切れることや、行き詰まることはないかも知れないけれど..、迷宮に迷い込んでいるような錯覚にも陥るそうです。
だから、絣の色も、たった3色であるにも関わらず、他の色の気配を感じてしまう。
絣の<かたち>や<色>は、限定されているにも関わらず...、他の<色の気配>や、眼に映っている以上の<かたち>を信じてしまいそうなのです。
絣織というと、どこか民芸的な雰囲気を伝えるし、街着的な感じを憶えるかもしれない..、でも、この織物に織り込まれている景色としての絣織は、そうした類いの雰囲気や感じはない。
美的な感性を伝える...、それも、織物という平面性に限定された宿命を持っているにも関わらず、どこか、立体的な感覚を憶えるのです。それも、工芸的な感性を超えた、制作者の創造性が響くんです。
眼に映っているようで、現実的にはない<かたち>や<色>の気配を憶えるのは、制作の作為なのかもしれない...、よく似た<かたち>と<色>を重ね、繋げることで、眼を眩ませる...、この制作者は、この織物を「万華鏡」と名付けていますが、まさしく、万華鏡を覗いた際の感覚に近い..。
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そして、このイメージなんですが、洗練されたデザイン性を帯びている...、このデザインが、織り出された絣がつくる模様以上の何か、そして、眼に映る色以上の色の気配を、印象に映しているのかもしれません。
眼に映る以上の"何か"とは、それは、制作者の感性とか、意識の気配の様なものなんだと思います。
制作者は、予め、何を、どのように構成するかを予定して制作を手掛ける筈です。ただ、「絣織の織物」を制作するのではなくて、「制作」を通じて、感性とか意識を費やす..、ただの「もの」にはない美意識が宿るんですね。
絣と色は、まるで、制作者の美意識を伝える「記号」のようなものであるなら、この作品には、ちょっとした現代美術のような香りがあるのかもしれません。
絣が、幾重にも織り込まれた紬織の帯地..。
しかし、複雑で、混沌とした感じはありません。そして、土臭い感じもない。
むしろ、洗練された創造的な感性が、現代的な<美しさ>を伝えくれる織物です。
こうした<美しさ>は、着物を装う時の美的なアクセントとなる筈です。着物にちょっとした美術性を取り込んでみる..、そんな着物の装いを演出することが出来る筈です。
=経歴=
女子美術大学工芸科卒業 (卒業制作賞受賞) |
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1987年 | 国展初入選 | |
以降、毎年国展に出品 | ||
1987年 | 中部国展新人賞 | |
2000年 | 中部国展国画賞 | |
2004年 | 座繰糸による手織公募展 (群馬県蚕糸組合賞) |
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2008年 | 国展新人賞 | |
現在 | 国画会正会員 名古屋学芸大学メディア造形学部 ファッション造形学科 講師 |
* | 緯絣織九寸名古屋帯:『万華鏡』との着物あわせ |
・ | 本場結城紬:みじん格子とあわせました。 |
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