草木染め手織:真綿双紬
使用草木:梅とばら
草木染め手織紬。真綿糸..、緯糸だけではなくて、経糸までも、袋真綿から手引きされた真綿糸だけが使われ、染色も、織人自身が、自然採取の植物からつくられた色で染められています。
薄色に映っているのは梅から染められた色。墨色の線は"ばら"で染められた色。薄色と墨色というコントラスト高い色彩構成であるにも関わらず、墨色が構成する景色には、強い印象などは伝わって来ることはありません。
織人の手仕事で織り上げている作品です。銘が付けられている訳でもありません。作品に個性がないから銘が付けられていないと言う訳でもない様です。
この作品は、自然の中から生まれてきたかの様な、不思議な雰囲気があります。ものを制作することに対する作為が感じられないのです。
制作者は、真綿糸の柔らかさや温もりと言った素材感、そして、梅と"ばら"から得られた自然の色..、これらを織物を通じて表現しているだけなのかもしれません。そして、作品性を表現しないのは自然の"すがた"を織り出しているからなのだと思います。
縞織というよりも無地織の感覚に近い質感覚です。
墨色の線は真綿糸特有の不均一さによって斑縞の様に映っています。その墨色と薄色、そして、真綿糸の素材感が相俟って、自然から生み出されたかの様な存在感が伝わって来る様に感じられます。それは、樹木を切り出した際の木肌や年輪の色艶や香りに触れた際に感じられる感覚...、あるいは、自然が織り出されている感覚に近いのかも知れません。
この織物を着物として纏うと、もしかすると自然の中にいる心地となるかもしれません。空気をはらみ、真綿の温もりが伝わってくる筈です。そして、草木の色は、現代社会の中にはない、柔らかな空気を映してくれると思います。
この作品からは、「制作者の作為が感じられない」とお伝えしましたが、もし、この作品に個性とか作為らしきものを挙げるとするなら、それは、自然を織り出しながらも現代的な美的感性に馴染む"色艶"に整えていると思われる点です。
自然の香りを伝えながらも、素朴さも、粗野な感じもない。無地感覚に生命感を込めることで、現代的な美しさを表現している様に感じられます。
個性彩る帯とあわせられてもこのお着物の自然の香りは褪せることなく、むしろ、個性を引き立ててもくれる筈です。
以下では、あえて作品性のある帯地とあわせてみました。
* | 板締め綾織帯地(国画会:浅倉広美)との着物と帯のあわせ 創作的な存在感ある帯のイメージが綺麗に表現されています。 |
* | 型絵染め帯地(国画会:岡本隆志)との着物と帯のあわせ デザイン性のある型絵めが、着物の中にごく自然に馴染んでいます。 |
* | 琉球本紅型帯地(玉那覇有公)との着物と帯あわせ 紅型の藍色の彩色と草木染め真綿織のナチュラルな彩色印象が、美しい程に調和しています。 |
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