下井紬：草木染め紬：『緯かすみ暈かし織(花織入り)』
使用染料：ログウッド 桜  (一部化学染料)

下井紬は、下井伸彦氏が手掛ける紬織物。
織物の基礎になる「糸づくり」から始まり、「糸の染色」、「機織り」に至るまで、すべての工程を自身が手掛けることで、他の織物にはない素材感覚や趣がその特徴となっています。

この紬のデザインは、数種類の色糸(薄グレイ系と墨色)と花織を不規則に織重ねることで表現されています。淡い単彩イメージと柔らかな奥行き感覚が相俟って、紬織特有の柔らかな質感と、どこか垢抜けをした空気感が伝わって来ます。

白くて、少しグレイ色、そして、僅かに紫色が、無作為に織り込まれ、時折、花織が、織の表情にアクセントを付けています。
軽やかな質感と緯かすみ織のデザインが、現代的なテキスタイル感覚を生み出しているように感じられます。

薄色加減の単彩系の色調が、帯に馴染みやすく、帯あわせを楽しませてくれます。
お顔映りも良く、お召しになりやすいお着物です。