洛風林制作： 九寸名古屋帯
ボハラの花

 

工芸帯地"洛風林"制作の西陣織九寸名古屋帯。

こちらに掲載をさせて頂いた九寸名古屋帯のデザインは、洛風林の資料館「織園都」に収蔵されているウズベキスタンのスザニ(刺繍を施された装飾用の布地/そもそも縫針の意味みたいです)から写されています。

作品名になっている「ボハラ」とは、収蔵されているスザニがつくられた街の名前です。そのボハラは、中央アジアの砂漠の中に位置するオアシス都市で、その起源は紀元前まで遡るほど古く、市街地は世界遺産にも登録されています。スザニは、この街の民芸品のひとつで、そのデザイン模様は、母から娘に受け継がれて行くため家庭によって随分と趣に違いがあるそうです。幾度も切手のデザインにもなった程、ウズベキスタンの文化に根ざしている刺繍です。

こちらにご紹介をさせて頂いている「ボハラの花」は、中央アジアの刺繍を想わせる雰囲気に仕上げられています。スザニから西陣織に写す美意識と感性には、洛風林らしさを感じさせます。単純にデザインを写すのではなくて、収蔵されているスザニの一番美しいと感じられるものを西陣織のデザインに昇華させているように思います。

「ボハラの花」から、スザニの空気を感じられます。けれども、そして、西陣織九寸名古屋帯としても違和感は全然感じさせることはありません。着物を、ちょっとないくらい素敵な感覚で飾ってくれる帯です。

制作：洛風林

 

＊	ボハラの花：九寸名古屋帯との着物あわせ．．
・	草木染め手織真綿紬：士乎路紬とあわせてみました。
・	本塩沢(色絣)とあわせみました。