西陣織九寸名古屋帯
引き箔よろけ織(まこと織物)
 

"よろけ織"と言う手法で織られた西陣織です。

"よろけ織"とは、制作者の説明では、特殊な筬を使って、緯糸をかき寄せながら、経糸を左右に揺らすことで、緯糸と経糸を絡み合わせ織り出す染織手法です。
緯糸を特殊な筬でかき寄せて、経糸と絡み合わせるとは、要するに、緯糸と経糸を「絡んでいる」と言う状態にすることのようです。ただ、無秩序に絡んでいるいるのではなくて、まるで経糸と緯糸が編纂するかの様に絡ませる。だから、経糸と緯糸が絡んでいても、生地の平面性が保たれるし、また、絡んでいる有様が「織の景色」として目に映る訳です。

また、この帯地の柄模様は「引き箔」で表現されています。
こうして、経糸の"よろけ"と引き箔で表現された絹織は、西陣織だけではなくて、世界中の絹織の中でも珍しい織物かもしれません。こちらに掲載をさせて頂いている帯地も、また、西陣織というイメージよりも、少々、異文化的な空気感が感じられると思います。

そして、引き箔で表現されてい柄模様は、欧州の装飾デザインから写された柄模様です。"よろけ織"の生地感覚とそのアイスブルー系のイメージ色印象は、この欧州的デザインと良く馴染んでいて、現代的で、かつ、他の織物にはあまりない装飾的な雰囲気をつくっています。

礼装感覚とまで行かないけれども、和装の雰囲気を崩すことなく、余所行き感覚を伝えてくれています。

小紋、江戸小紋、御召、無地感覚の織物にお使い頂ける西陣織九寸名古屋帯です。
下段画像では、レース模様を写した小紋のお着物とあわせてみました。

制作：まこと織物