北村武資 :羅八寸帯『上品羅』
こちらに掲載をさせて頂いた織物は、1995年に「羅」、2000年には「経錦」、二部門にて重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された染織家:(故)北村武資氏の作品「上品羅(じょうぼんら)」。
「羅」は、隣り合う2本以上の経糸が、相互に捩れ合いながら地と文様を織り出す複雑な構成の織物です。古代中国の遺物や飛鳥時代に大陸から渡来した織物の中に、この「羅」は遺されて来ました。北村武資氏が「羅」の復元を手掛けたのは、紀元前2世紀の古代中国の墳墓より出土した精緻な織物=羅が由来とされています。
こちらに掲載をさせて頂いた上品羅は、off-white(上品羅の中で白に一番近い色)の羅。
経糸が捩り合って生地を構成すると同時に、紋様が織り出されています。それは、粗い目が構成される籠捩と、細かい目を構成する網捩を、独創的に組み合わせる事で、これまでにない「羅」のデザインが表現されています。極めて精妙な織物でありながらも、まるで美しい絹の結晶を観ているかのようなイメージを憶えます。
装飾的な織物として制作されにも関わらず、むしろ、装飾を極限まで控えることで比類ない美しさが実現されています。芸術的な美的感性を感じさせてくれる織物です。
=経歴=
1935年 | : | 京都に生まれる |
1951年 | : | 京都西陣で製織業に従事する |
1959年 | : | 従事していた西陣織機屋より独立し、手仕事による創作を志す |
1965年 | : | 日本伝統工芸染織展で日本工芸会賞受賞 |
1968年 | : | 日本伝統工芸展でNHK会長賞受賞 同年 日本工芸会正会員となる |
1972年 | : | 「長紗馬王堆(ちょうさまおうたい)漢墓写真速報展」で、古代中国の美しい羅の出土状況の写真を見て触発され、羅の研究に励む 同時期より経錦の研究も始める |
1973年 | : | 「中華人民共和国出土物展」で羅の実物を見る この時期には羅の試作が出来上がる |
1982年 | : | 自身初の個展が開催される |
1985年 | : | 日本伝統工芸展で保持者賞受賞 |
1990年 | : | 京都府指定無形文化財保持者(羅・紋織)に認定 日本工芸会理事 |
1994年 | : | 日本伝統工芸展で保持者賞受賞 |
1995年 | : | 羅において重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定 |
1996年 | : | 紫綬褒章受章 |
1999年 | : | イタリア ヴェネチアで開催されたユネスコ主催の「人間国宝制度に関するワークショップ」で、重要無形文化財保持者を代表して発表を行う 中国の長紗へ馬王堆(ちょうさまおうたい)を訪ねる 京都府文化功労者賞受賞 |
2000年 | : | 経錦において重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定 京都府文化功労者の表彰を受ける |
2001年 | : | 群馬県立近代美術館で「人間国宝北村武資 織の美」を開催 |
2005年 | : | 旭日中綬章受賞: |
2006年 | : | 日本工芸会総裁桂宮殿下の行幸啓訪問を自宅工房にて受ける |
2008年 | : | ユネスコ・アジア文化センターの依頼により、文化遺産保護国際貢献事業「第二回無形文化遺産保護のための集団研修」で森口邦彦氏とともに講演を行う |
2011年 | : | 「『織』を極める 人間国宝 北村武資」展が京都近代美術館で開催される(東京国立近代美術館に巡回)。 |
2022年 | : | 逝去 |
* | 北村武資:羅八寸帯との着物あわせ |
・ | 松原伸生:長板中形沢瀉模様(苧麻布)とあわせてみました |
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