苧麻長板中形『沢瀉/おもだか』
制作:松原伸生
長板中形は、江戸時代より伝承されて来た型染め手法のひとつです。
長板(約6.5m)に生地を張り、模様が彫られた型紙を使い、防染糊を置いて行きます(生地の両面に糊置きをします)。型絵を使い糊置きされた生地を藍甕に浸けて藍染めを施します。両面に糊置きを施し藍染めすることで、防染されて残った白と藍の色彩コントラストは、柄模様を際立って綺麗に映してくれます。
こうした藍染め手法は、他の藍染め、藍型染めにはない長板中形の特徴です。
松原伸生さんは、長板中形の手法で作品制作を手掛ける染色家です。家系的には、長板中形の分野において人間国宝の認定を受けた松原定吉氏(故人)を父に持つ松原利男氏(故人)のご子息であり、唯ひとりの後継者です。
現在、日本伝統工芸会に席を置き、日本伝統工芸展・日本伝統工芸染織展を通じて作品を発表されています。
こちらに掲載をさせて頂いているのは、「沢瀉(おもだか)」の柄模様が染められた長板中形。
沢瀉は、水辺に生え、7月から8月に、3枚の花弁がある純白の花を咲かせる草花です。
この作品では、あたかも藍色の水面に無数の沢瀉が浮かんでいるかのように見えて来ます。
作品に使われた生地は、手績みの苧麻糸で製織された真っ白な苧麻布。夏の陽光に照らされた白い沢瀉は、藍とのコントラストの中で、冴えた彩りを伴って目に映ります。藍と白だけの色彩にも関わらず、藍染めによって生まれた自然の彩りは、藍以上の藍の彩り、白以上の白さとして印象に響くのかもしれません。
細密で無数の沢瀉の柄模様は、現代アートデザインのようです。純日本的でありながら、時代や文化を想わせない香りにつつまれています。継承されて来た長板中形にクリエイティブな美意識がこめられているなのかもしれません。
苧麻布に染められた長板中形です。
麻のお着物としてお召しになって頂けます。
涼感に満ちた夏風情を伝えるお着物です。
* | 着物と帯のあわせ.. |
・ | 喜如嘉芭蕉布八寸帯(花織入り)とあわせてみました。 |
=経歴=
1965年 | : | 東京に生まれる |
1984年 | : | 都立工芸高等学校デザイン科卒業 父:松原利男に長板中形・藍型染めを師事 |
1991年 | : | 日本工芸会 正会員に認定 |
1993年 ~96年 |
: | 千葉県立上総博物館にて形染講習会講師 |
2000年 | : | 伝統工芸新作展 奨励賞 |
2005年 | : | 日本伝統工芸染織展 新人奨励中国新聞社賞 |
2006年 | : | 日本伝統工芸染織展 新人奨励山陽新聞社賞 |
2007年 | 日本伝統工芸染織展 東京都教育委員会賞 | |
2008年 | 千葉県美術展 県展賞 | |
2009年 | : | 日本伝統工芸展 新人賞 |
2014年 | : | 日本伝統工芸展 高松宮記念賞 |
2015年 | : | 日本伝統工芸染織展 日本経済新聞社賞 |
2016年 | : | 君津市市長賞表彰 |
2017年 | : | 千葉県指定無形文化文化財保持者認定 |
2018年 | : | 伝統文化ポーラ賞 優秀賞 |
2020年 | : | 日本伝統工芸展 日本工芸会保持者賞 |
2021年 | : | 紫褒章受章 |
2023年 | : | 重要無形文化財技術保持者(人間国宝)認定 |
公益社団法人 日本工芸会正会員・理事 |
千葉県美術会常任理事 |
千葉県指定無形文化財 長板中形 保持者 |
藍形染まつばら主宰 |
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