新里玲子
(沖縄県重要無形文化財保持者認定)制作
宮古上布:九寸名古屋帯
宮古上布は、宮古島の自然素材で制作された草木染め手織苧麻織物。
こちらに掲載をさせて頂いた宮古上布は、まるでパステルで描かれたかの様に、光と透明感のある色彩に満ちています。
こうした多色多彩に満ちた宮古上布は、"色上布"と称され、その歴史は、琉球藍+蓼藍だけで制作された紺地絣織の宮古上布よりも古く、宮古島の天然染料と手括りの絣だけで制作されています。
この作品の制作者 新里玲子さんは、琉球王朝時代の図案(御絵図)に魅せられて、南国特有の色彩とその土地に伝わる絣模様でつくられた色上布(宮古上布)を制作している染織家です。
制作された作品には、現代的なデザイン性を想わせながらも、宮古上布、あるいは琉球織物特有の薫りを匂わせてくれています。むしろ、その薫りこそが、制作者の美意識の源泉なのかもしれません。
こちらに掲載をさせて頂いた新里さんの作品は、宮古島の自然を象徴しているかのような色彩と大きな絣を組み合わせてデザイン構成されています。こうしたデザインは伝統的な琉球織物にはありません。緯絣で表現されたデザインは、現代抽象絵画と重なるイメージが残ります。自生する亜熱帯の植物、そして、気候や風土など、宮古島の色彩とその自然が生み出す表情を、制作者の心象風景として表現されているのかもしれません。自然素材だけで制作された織物でありながらも、洗練され、かつ、アーティスティックな空気を漂わせた宮古上布です。
爽やかな夏季のお着物に自然の彩りと現代的な美しさを添えてくれます。
=経歴=
1948年 | 宮古島で生まれる | |
1972年 | 下地恵康(故人)宮古上布工場に勤める | |
1975年 | 琉球王朝時代の図案に魅せられて、彩り豊かな宮古上布の制作をはじめる。 同年、自身の工房を開設。 |
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1995年 | 日本伝統工芸展 春の染織展 「日本経済新聞社」賞 | |
2000年 | 沖縄タイムス 芸術選「奨励賞」 | |
2002年 | 日本伝統工芸会準会員 | |
2004年 | 日本伝統工芸会正会員 | |
2011年 | 日本伝統工芸展 「奨励賞」 | |
2012年 | 第32回伝統文化ポーラ賞「地域賞」 | |
現在 | 国定重要無形文化財 宮古上布保持団体 代表 |
* | 宮古上布(制作 新里玲子)九寸名古屋帯との着物あわせ |
・ | 結城縮のお着物とあわせました。 |
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